高齢になると、予想外の医療費や介護費が発生することが増えてきます。「急な入院が必要になった」「介護サービスを急きょ利用することになった」など、家計への負担は大きくなりがちです。今回は、高齢者向けの資金対策として、公的支援の活用法や資産管理のコツを紹介します。
1. 高額療養費制度の活用
日本には、高額な医療費がかかった際に自己負担額を軽減できる「高額療養費制度」があります。年齢や所得によって自己負担の上限額が決まっており、申請することで差額が戻る仕組みです。入院や手術など大きな医療費がかかる場合は必ず確認しましょう。
2. 介護保険制度をフル活用
- 要介護認定: 必要な支援のレベルを早めに認定してもらうことが大切。
- 自己負担割合: 原則1割~3割の負担で介護サービスを受けられる。
- 高額介護サービス費制度: 介護サービス利用料が一定額を超えた場合に還付される仕組み。
3. 緊急時に使える資金源
- 年金担保貸付制度: 公的年金を担保に資金を借り入れる方法(※現在は新規受付停止中のケースあり)。
- リバースモーゲージ: 自宅を担保に資金を借り、住み続けながら返済は死亡後に精算。
- 社会福祉協議会の貸付: 一時的な資金不足時に低金利で借りられる制度。
4. 家族との話し合いも大切
資金対策を行う際は、家族と事前に話し合うことが重要です。いざというときの連絡体制や、資産・支援制度の確認を一緒にしておきましょう。
5. 普段からの備え
- 医療・介護専用の貯蓄を用意。
- 医療保険や介護保険の見直しを定期的に行う。
- 公的制度の最新情報をチェック。
まとめ
高齢期の医療費・介護費は、誰にとっても大きな負担となり得ます。公的支援を賢く活用し、普段から資金の備えをしておくことが、安心した老後生活のカギです。家族と連携しながら、いざというときに備えましょう。